Snow peak ソリッドステーク30
僕が、Snow peakのソリッドステーク30に出会ったのは、2018年の冬でした。
当時、キャンプ初心者だった僕は、テントを地面に固定させる道具をペグと呼び、様々な素材が存在することを知ったばかりでした。
初めて買ったテントはパップテントと呼ばれるもので、アメリカ軍で使用されていた(らしい)ものでした。
そのため、備え付けのペグなどあるはずもなく、名前も初めて知ったペグをネットで調べながら買うことにしました。
ネットには、鍛造ペグは重いが”地面に挿す”という一点においては右に出るものがないという情報がほとんどだったように思います。
ステータスを”地面に挿す”に全振りしており、それ以外は重い、高価格など決してバランスが取れたものではないと思います。

実際に使ってみると、硬い地面でもサクッサクッと入っていく感覚はとても心地が良く、”地面に挿す”ことに特化している意味をとても感じました。
めんどくさがり屋な妻も率先してペグダウンしてくれるので、心地良さを楽しんでいるのかもしれません。

堅牢さも群を抜いており、何年も買い足しながら使い続けてきたソリッドステーク30ですが、いまだに折れたり曲がったりということはありません。
黒い塗装が剥がれてきてはいますが、剥き出しになった金属の地肌と土の色、黒い塗装が混ざり、なんとも言えない渋いグラデーションとなっていて、かっこいいなと感じるようになってきています。
これからも、ソリッドステーク30を使い続けていくつもりです。
Epilogue
利便性と距離を置くことがキャンプの醍醐味だと思います。
その反面、ギアには機能を求めてしまい、いつも矛盾を感じていました。
人間は自然の中では本当に弱い生き物でありながら、道具を使うことで生態系の頂点に立っています。
道具を使いこなせるかどうかは、大袈裟に言えば生死を分ける重要なスキルであり、道具を使いこなそうと必死に考えることは、もはや本能なのではないでしょうか。
しかし、近年の道具は人間の”考える部分”を代替する道具が多いように思います。
誰でも簡単に扱えるが故に考える必要性が低く、本能が満たされていないのかもしれません。
キャンプの醍醐味である”不便さ”と、ギアに求める”機能性”は決して矛盾することではなく、限られた制約の中で、より良い道具を、より上手く使いこなそうと考えることで、本能を満たしているのだと最近は感じています。
機能美を兼ね備えた道具をエピソードを交えながら今後も紹介していきたいと思います。