Snow peak 焚火台S
焚火っていいな、そう思ったのは2018年の冬でした。
入社1年目の私は、先輩に誘われたデイキャンプに行くことにしました。
先輩はソロキャンプ 専門で、冬にしかキャンプをしないとのこと。
その理由を聞くと、焚火をするためにキャンプしに来ているようなものだと言っていました。
確かにその冬は冷え込みがすごく、焚火の暖かな火は、冷えた体に沁み渡りました。
先輩とのデイキャンプ以降、すっかり焚火の虜になってしまった僕はどの焚火台を買うかリサーチを繰り返していました。
軽い焚火台や、デザインの凝った焚火台、様々なものがありましたが、Snow peakの焚火台の佇まいに目が留まりました。
無駄を全て削ぎ落としたフォルムに、どんな火でも耐え抜いてくれそうな肉厚なボディ、全てが美しいと感じました。

実際、使い始めて6年目になりますが、形状や性能、佇まいは購入当時のままで今でも主役級ギアとして活躍してくれています。
むしろ熱が加わることで、ステンレスが表情豊かな色味を帯びており、美しさが増したような気さえします。

この焚火台で妻と日を囲んだキャンプは一生の思い出となりました。
焚火台Sを見ると、キャンプの思い出が鮮やかに甦り、使い込むほど味が出るとはこのことだろうと思います。

Epilogue
利便性と距離を置くことがキャンプの醍醐味だと思います。
その反面、ギアには機能を求めてしまい、いつも矛盾を感じていました。
人間は自然の中では本当に弱い生き物でありながら、道具を使うことで生態系の頂点に立っています。
道具を使いこなせるかどうかは、大袈裟に言えば生死を分ける重要なスキルであり、道具を使いこなそうと必死に考えることは、もはや本能なのではないでしょうか。
しかし、近年の道具は人間の”考える部分”を代替する道具が多いように思います。
誰でも簡単に扱えるが故に考える必要性が低く、本能が満たされていないのかもしれません。
キャンプの醍醐味である”不便さ”と、ギアに求める”機能性”は決して矛盾することではなく、限られた制約の中で、より良い道具を、より上手く使いこなそうとすることで、本能を満たしているのだと最近は感じています。
機能美を兼ね備えた道具をエピソードを交えながら今後も紹介していきたいと思います。